国立がん研究センター東病院より
・知り合いのおばさんが一年に一度の健診で肺がんが見つかりました。
・おばさんは80歳で、更に肺活量が著しく低い。
・高齢者&肺機能が良くないとなると、手術で切ることは肺炎のリスクが高い。
・抗がん剤も体力低下による肺炎のリスクが高い。
・治療せずに様子をみるとの選択肢も与えられたが、出来る事なら「治療」したい。
・そこでいろいろとググって調べてみると、「高齢者の肺がん治療」に関して有益な
ページが出てきました。「東京都健康長寿医療センター」のPDFです。
http://www.tmghig.jp/hospital/files/relations/tmghigpdf5212c8759abee.pdf
・肺がんには「小細胞肺がん」「非小細胞肺がん」の2種類がある。
小細胞肺がん・・・進行が速い。抗がん剤治療・放射線治療が効きやすい。
非小細胞肺がん・・・進行が穏やか。抗がん剤治療・放射線治療の効果はいま一つ。
手術ができるようなら手術優先がよい。
・おばさんは「非小細胞肺がん」だったようですが、リスクを考えると手術切除は避けたい。
・治療するとなると選択肢は放射線治療しかなさそう。
・そこで放射線治療を調べました。放射線治療に関しては「国立がん研究センター」参照。 https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/radiotherapy/rt_03.html
・外部照射には、
①電磁放射線のエックス線やγ(ガンマ)線によるサイバーナイフ、
②粒子放射線の陽子線・重粒子線による粒子線治療があります。
・①は体の表面で線量が最大で体内に入ると減衰していきます。一方向から照射すると
正常細胞も大きなダメージを受けるので、多方向から照射して出来るだけ正常細胞に
ダメージを与えずにがん病巣をやっつけるように照射します。
・②は体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、停止する寸前にエネルギー
を放出してように設計できます。要するに正常細胞へのダメージは少なく、がん病巣で
エネルギーが最大となってやっつけるわけです。
・サイバーナイフは保険適用、陽子線治療は保険適用外と聞いていましたが、おばさんは、
高額の治療費を出しても適切な治療がしたいとの要望でした(結局は保険が適用されたようです)。
・そこで、おばさんの主治医に家からもっとも近い陽子線治療ができる千葉県柏市の「国立がん
研究センター東病院」への紹介状を書いて頂き、治療することになりました。サイバーナイフは
結構普及しているが、粒子線治療のできる病院は日本に17個所しかありません。(2018.3現在)
・ガンマナイフ設置病院一覧
http://www.gamma-knife.jp/gammaknife/hospitallist.html
・粒子線治療施設一覧
http://www.gamma-knife.jp/gammaknife/hospitallist.html
・二週間ほどの入院でした。お見舞いと退院時に付き添いましたが、沢山の患者さんが居られて
ホントに驚きました。また地方からも沢山の方が治療に来られているようです。入院の必要が
無く、集中的に治療される方は、この病院の近くに宿泊したり、ウィークリーマンションを
借りたりして通われているようです。
・1/22入院、2/7退院、退院後一か月経っていますが、予後は良好のようです。