ライフ・レッスン エリザベス・キュブラー・ロス著
「死に直面している人たちはいつも、大いなるレッスンをもたらす教師だった。生が
もっともはっきりみえるのは、死の淵に追いやられたそのときだからだ。そのレッスン
の数々は、人間の生にかんする究極の真実であり、いのちそのものの秘密である」
終末期医療の先駆者が静かに語る、人生の十五のレッスン。by amazon
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精神科医・エリザベス・キュブラー・ロス博士 (1926.7.8−2004.8.24)
1999年タイム誌が選んだ20世紀最大の哲学者・思索者100人のうちの一人でもあり、
世界的なベストセラー「死ぬ瞬間」の著者として知られています。この本はまさに死につつ
ある人200人への直接面接取材で得た“死に至る”人間の心の動きを研究した画期的な
本で、この本がきっかけとなってホスピス(終末期医療)の分野が確立されました。
博士は、「死」や「死にゆく過程」の本を20冊以上書いているわけですが、この「ライフ・レッ
スン」には、まさに死にゆく人々から学んだ事がら(何を後悔しているのか?どのような心の
動きをしているのか?)を、生へとさかのぼって、「では、どう生きればよいのか?」という人
生の15項目のレッスンが書かれています。
博士は、死後の世界にも関心があり、その存在を認めていたようですが、死後の世界が在
るか無いかを思考組立の根底に置かずとも、この15項目のレッスンは、この世をどう生きれ
ばよいのかという「真理」を訓えてくれます。
しばらく何故か読めなくて放って置いたのですが、向かい合うときがきたようで、しっかりと読
みました。素晴らしい内容ですので、このブログでも15項目のレッスンに合わせて取り上げ
ていきたいと思っています。
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死にゆく人々は人生の終わりに多くを学びますが、ほとんどの場合、学んだ教訓を生かすため
の時間が残されていません。「確かに私は豊かな暮らしを達成した。でも、本当に生きるために
時間を割いてきただろうか?」多くの人は、確かに存在はしてきましたが、本当に生きた人は少
ないのです。死に直面している人たちは、いつも大いなるレッスンをもたらす教師でした。なぜな
らば、生がもっともはっきり見えるのは、死の淵に追いやられたそのときだからです。死にゆく人
たちは自分自身が学んだレッスンを伝える事によって、生そのものの大切さについて多くを教え
てくれます。
死の床にある人たちには、ほとんどの人間に同じレッスンの習得が求められます。すなわち、恐
れのレッスン、罪悪感のレッスン、怒りのレッスン、許しのレッスン、明け渡しのレッスン、時間の
レッスン、忍耐のレッスン、愛のレッスン、人間関係のレッスン、遊びのレッスン、喪失のレッスン、
力のレッスン、「ほんものの自己」のレッスン、そして幸福のレッスンです。
私たちは、人生の終焉のときまで待たなくとも、この本に書いてあるレッスンを学ぶことができま
す。しかし、「あなたのレッスンはこれだ」と教えることのできる人は誰もいません。それを見つけ
ることが、人生という個人的な旅の一部なのです。 エリザベス&デーヴィッド