コシノコバイモ(越の小貝母 ユリ科 バイモ属)
山梨県内でこの子を探索しました(2017.4.9)。
コシノコバイモは北陸〜新潟地方に多く、ミノコバイモは美濃地方に、トサコバイモは土佐地方に、アワコバイモは、
阿波地域に分布し、ホソバナコバイモは瀬戸内や山陽地域に、最近徳島県に新種のトクシマコバイモが生育している
ことが発表された。四国に分布するトサ、アワ、トクシマコバイモ共に生育地は隔離分布となっている。この他バイモ属
にはクロユリ、ミヤマクロユリなどが有る。園芸種で栽培されているバイモは薬用として中国から江戸時代頃に渡来した
中国原産の帰化植物。
山梨では、山梨県南部や滝戸山及周辺の一部に隔離分布する。
コシノコバイモは花被片の周囲に鋸歯があり釣鐘型の花形が特徴で、カタクリの開花よりも、やや早く咲き始める。広葉
樹林が葉で覆われる5月下旬頃には地上部は枯れて、長い夏期休眠に入る。コシノコバイモの主分布地は北陸〜信越地域
ですが山梨県や東海地域の一部に分布していることは、どんな意味が有るのでしょう?。地史的な要素を考えてみると、
その理由が解けてくる。
多くの植物たちは先祖帰りと呼ばれる緑花や色素を欠いたアルビノと言われる白花を付ける事が稀にある。
通常多雪地域や暖地では緑色で発芽するが山梨の寒冷地の個体は紫褐色から徐々に緑色に変化する。
以上、富士山自然学校 http://fujikirara.jp/event/info.php?no=159 より。
下記のhiroken様のページには、更に詳しく紹介されています。
https://www.hanasanpo.org/野山の花アルバム2/ユリ科/コシノコバイモ/
こちらもカイコバイモ同様に地味です。なかなか見つけられませんでしたが、三人、6個の眼で探しましたよ。
まず、葉の形態が目に入って、それから花が見えてきます(笑
カイコバイモはユリっぽい形をしていますが、コシノコバイモは釣鐘型ですね。
この個体は、横向きに咲いていたので花の中まで良く分かりました。
内花被の縁の鋸歯状の小突起がよく見えています。外花被の縁にはギザギザはありません。 花被の内側に細長く
黄色っぽく見える部分は、蜜が詰まった腺体です。
コシノコバイモの単葉
単葉の個体は発芽後3〜4年目の幼体、実生発芽から4〜5年で成体となって開花するそうです。
いや~、葉っぱは紫褐色で落ち葉と同化していますし、花も茶系で地味なので、なかなか探せませんでした。
こんな何も咲いてなさそうな場所に、静かにそっと咲いています。可憐ですね^^